戦後最高の詰将棋作家の作品集。この本や「極光21」「盤上のファンタジア」といった傑作集が普通の本屋で買えるのは一昔前なら考えられないことでしたね。
この本と上記2冊と「看寿賞作品集」そしてずっと出版が待たれる未刊行の「駒場和夫作品集」を読めば戦後昭和の構想中長編詰将棋の流れがほとんどわかるといっていいのでは。
道策全集
日本棋院
日本棋院
良く秀策の碁を並べろといわれる。私は道策の碁の方が内容が深く、教えられることが多いと思う。着手は驚きの連続である。碁の深さをしみじみと味わうことができる。
最近、この10分の1の値段で、全棋譜を載せた本が出版された。
最近、この10分の1の値段で、全棋譜を載せた本が出版された。
完本 本因坊秀策全集
岩本 薫誠文堂新光社
誠文堂新光社
¥ 39,900
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坊門の碁の集大成。一見やさしいふつうの着手で、盤面をリードする。こんなところに当たり前の手を打って、盤面全体を動かすのか、と驚く。手所では、着手にあらわれない読みが、驚くほど深く、力が強いからゆっくりした手を打てると、納得する。全体的に、手合い違いの上手が無理をせずに打っている感じが強い。碁とは、こう打つものですよ、と語りかけてくる。
怒涛の譜―加藤正夫精局集
日本棋院
日本棋院
¥ 18,000
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1976年の坂田栄男『炎の譜』、1982年の藤沢秀行『飛天の譜』、そして2005年の暮れに、加藤正夫『怒濤の譜』である。この打碁集は木谷師との指導碁から始まる。長い雌伏の時を経てタイトル奪取、本因坊となりタイトル王へ。王道を歩み続け、棋院改革を進める理事長職にありながら、台風迫る犬吠埼の老舗「ぎょうけい館」で23年ぶりに復活した“本因坊剣正”。そして、結城聡の大石を撲殺した絶局まで全200局である。選局は、“古今棋譜の生き字引”高木祥一。加藤門下の大森泰志も全面協力で、主人公不在の打碁集制作を支えた。新刊打碁集で気になるのは、既刊との重複であろう。この『怒濤の譜』には、『現代花形棋士名局選』(全25局)から19局、『現代名勝負シリーズ』(全33局)から26局、そして生前最後の打碁集『攻めの構図、読みの力』(全30局)から15局が採られている。つまり、『怒濤の譜』全200局のうち、既刊の加藤正夫打碁集に未収録の棋譜は143局にものぼるのだ。また、“人と芸 加藤を語る”と題するコラムでは、ゆかりの深い棋士9人(藤沢秀行、大竹英雄、石田芳夫、林海峯、武宮正樹、小林光一、羽根泰正、小川誠子、趙治勲)が加藤との思い出を棋譜とともにふりかえる(各2ページ)。構成・執筆は、−もうこの人しかあり得ない−若い頃から加藤を書き続けて、加藤の打碁集すべてをつくってきた秋山賢司である。一局一局、吟味されたイントロで対局者と“そのとき”を語り、巧みな譜分けと、加藤の肉声を的確に配した絶妙のつくりである。本格的な打碁集の執筆としては、『飛天の譜』に続く大仕事であった。深い藍色の布地の表紙に泉夫人の筆による題字のレリーフがあり、背は金文字という気品あふれる装幀は、加藤の純粋さを伝えて余りあるもの。これほどのあたたかな愛に包まれた打碁集をわたしは知らない。